ここから始まる物語
第18章 団結
ピスティの胸に浮かぶのは、後悔だけでした。
レナを取り戻したい――素直にそう言えばよかったものを、ライの悪口を言ってしまったのです。謝ることができたら、そして仲直りすることができたら・・・・・・。
しかし、もう時間は返ってきません。
もう、何もかもがどうでもよくなって、ピスティは木の根元に寝転がりました。考えることも、感じることも、願うこともできませんでした。もちろん、何かを成し遂げるために行動する力なんて、あるわけがありません。
※
そのころ、フォビスは久しぶりに誇りを取り戻していました。
ピスティの妻であるレナを虜にして、自分に従う集団を率いて、街の大通りを歩いていました。まるで王に返り咲いたかのような気分です。
目指すのは、貧しい時に寝起きしていた広場。
フォビスにとっては貧しさを思い知らされた場所ですが、これからは、自分が集団を率いる者として、その地位を示す場所となるのです。
やがて、広場に到着しました。その真ん中で、フォビスは声をあげました。
「みんな、よく聞け!」
すると、ついてきた者たちは、自然とピスティを囲むように車座に座りました。
数人に腕を掴まれていたレナは、いつの間にか手を背中の後ろで縛られ、自由を奪われています。そのレナを、フォビスは力ずくで自分に引き寄せました。
レナは引き寄せられつつも、顔だけは反らせています。あきらかに嫌がっています。
それでもフォビスはかまいませんでした。
「このレナという女は、ピスティ王の身代わりとなった。そしてこの清楚に見える身体は、大きな罪を負うことになった。その罪とは、戦争を起こし、多くの人びとの命を奪い、国をも滅ぼそうとした大きな罪だ。そんな罪を背負ったこの女を、おまえたちはどうするべきと考えるか」
レナを取り戻したい――素直にそう言えばよかったものを、ライの悪口を言ってしまったのです。謝ることができたら、そして仲直りすることができたら・・・・・・。
しかし、もう時間は返ってきません。
もう、何もかもがどうでもよくなって、ピスティは木の根元に寝転がりました。考えることも、感じることも、願うこともできませんでした。もちろん、何かを成し遂げるために行動する力なんて、あるわけがありません。
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そのころ、フォビスは久しぶりに誇りを取り戻していました。
ピスティの妻であるレナを虜にして、自分に従う集団を率いて、街の大通りを歩いていました。まるで王に返り咲いたかのような気分です。
目指すのは、貧しい時に寝起きしていた広場。
フォビスにとっては貧しさを思い知らされた場所ですが、これからは、自分が集団を率いる者として、その地位を示す場所となるのです。
やがて、広場に到着しました。その真ん中で、フォビスは声をあげました。
「みんな、よく聞け!」
すると、ついてきた者たちは、自然とピスティを囲むように車座に座りました。
数人に腕を掴まれていたレナは、いつの間にか手を背中の後ろで縛られ、自由を奪われています。そのレナを、フォビスは力ずくで自分に引き寄せました。
レナは引き寄せられつつも、顔だけは反らせています。あきらかに嫌がっています。
それでもフォビスはかまいませんでした。
「このレナという女は、ピスティ王の身代わりとなった。そしてこの清楚に見える身体は、大きな罪を負うことになった。その罪とは、戦争を起こし、多くの人びとの命を奪い、国をも滅ぼそうとした大きな罪だ。そんな罪を背負ったこの女を、おまえたちはどうするべきと考えるか」