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ここから始まる物語

第18章 団結

「今さら、僕なんかに何の用だい」
 ピスティはわざと面倒くさそうに、寝そべったまま言いました。
「友人危機」
 仲間が危ないから助けてほしい、とフウは言っています。仲間とは、きっとライとゲンのことでしょう。
「でも、僕には仲間なんていない。フウにとってのその仲間は、僕にとっては、もう仲間じゃないんだ。助ける気になんて、なれないよ。ライとゲンだって、僕に助けられたいなんて、思ってないんじゃないかな」
「ライから伝言を預かっています。せめてそれだけでも聞いてください!」
 ピスティは雷に打たれたような気持ちになりました。
 はじめて、フウが感情を出したのです。しかも、いつものような短い言葉ではなく、文となった言葉を話しました。見たことのないフウの表情に、ピスティの心を覆っていた霧が、一気に晴れ渡りました。
 フウは、あいかわらず仮面をつけたままです。でも、その仮面の下で泣いていることは明らかでした。目には涙を浮かべ、声には嗚咽が混じっているのです。
 フウはむせび泣きながら言いました。
「ピスティさまに、ライから伝言です。『つい意地になって、ピスティさまを悪く言ってしまった。別れてからずっと後悔している。許して欲しいとは言わない。ただ、ごめん』――そう言っていました」
「ごめんだって?」
 ピスティは息を飲みました。まさかライから謝ってくるなんて・・・・・・。
 しかも謝った理由は、『意地になって悪く言ってしまったから』です。それはピスティも同じでした。
 本当はライとずっと友達でいたかったのに、つい意地になって、ライのことを、うどの大木だとか、処刑するだとか言ってしまったのです。

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