ここから始まる物語
第19章 金色の軍隊
ピスティも黙ってはいられませんでした。
王としての責任感と、個人的な興味が混ざりあって、体が勝手に動き出そうとします。が、ちょっと動いただけでも痛みを感じてしまいます。仕方なく、ピスティは窓から様子を眺めていました。
金色の軍隊は、街へ入っては来たものの、乱暴をすることはありませんでした。ただただ丁寧に道に沿って歩き、城へ近づいていきます。
アウィーコート軍は、それを迎え撃つように、城の前で横に広がっています。そして金色の軍隊が近づいてくると、一斉に斬りかかかりました。
ところが、どういうわけか、戦いにはなりませんでした。アウィーコート軍は必死に剣を振っているのですが、金色の軍は槍を構えさえしないのです。よく見ると、アウィーコート軍の剣や、兵士の身体が、金色の軍隊をすり抜けてしまっているようです。
「なんだ、あれは」
不思議な軍隊は、アウィーコート軍などいないもののように、城の門まで進むと、それを率いている将軍らしきものが声高に叫び始めました。
「ピスティ王にお目にかかりたい」
どうやら、ピスティが城にいるものと思い込んでいるようです。
「僕を呼んでる。行かなきゃ。でも――」
身体を動かすことができません。しかし、次の瞬間、動かずにはいられなくなりました。
金色の軍隊のいちばん後ろに、なんと、レナの姿があったのです。
「レナ!」
レナは、身体を縄で縛られ、馬に乗せられています。そのまわりを、金色の兵士たちが取り囲んでいます。もちろん、馬の轡(たずな)は金色の兵士が握っています。
「レナ!」
王としての責任感と、個人的な興味が混ざりあって、体が勝手に動き出そうとします。が、ちょっと動いただけでも痛みを感じてしまいます。仕方なく、ピスティは窓から様子を眺めていました。
金色の軍隊は、街へ入っては来たものの、乱暴をすることはありませんでした。ただただ丁寧に道に沿って歩き、城へ近づいていきます。
アウィーコート軍は、それを迎え撃つように、城の前で横に広がっています。そして金色の軍隊が近づいてくると、一斉に斬りかかかりました。
ところが、どういうわけか、戦いにはなりませんでした。アウィーコート軍は必死に剣を振っているのですが、金色の軍は槍を構えさえしないのです。よく見ると、アウィーコート軍の剣や、兵士の身体が、金色の軍隊をすり抜けてしまっているようです。
「なんだ、あれは」
不思議な軍隊は、アウィーコート軍などいないもののように、城の門まで進むと、それを率いている将軍らしきものが声高に叫び始めました。
「ピスティ王にお目にかかりたい」
どうやら、ピスティが城にいるものと思い込んでいるようです。
「僕を呼んでる。行かなきゃ。でも――」
身体を動かすことができません。しかし、次の瞬間、動かずにはいられなくなりました。
金色の軍隊のいちばん後ろに、なんと、レナの姿があったのです。
「レナ!」
レナは、身体を縄で縛られ、馬に乗せられています。そのまわりを、金色の兵士たちが取り囲んでいます。もちろん、馬の轡(たずな)は金色の兵士が握っています。
「レナ!」