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第20章 再会、抱擁、功罪

 神は――そして魔法使いも――人びとの心の影響を大きく受けます。
 今お話した出来事は、もう何百年も昔の話です。
 人びとの、理性を尊ぶ思いが薄れていくのも無理はありません。それにともなって、神の力も弱まっていったのです。国王陛下もご覧になったでしょう。神々は、はじめ、みすぼらしい姿でしかありませんでした。
 武器も防具もぼろぼろで、体は痩せ衰えていました。
 しかし、昨晩の出来事のおかげで、ふたたび人びとは、魔法の力を手放す決意をしました。理性を取り戻したのです。だからこそ、今、神はこのように立派な姿になったのです。
 王さま、私たちは、レナさまの存在を消さねばならないのです。心を喰われて諍いを起こさないように。
 お分かりいただけたでしょうか。

 ※

 クリシーは、長い長い話をようやく終えました。
 誰も、何も言いません。クリシーの話に引き込まれてしまったのでしょう。
 重い沈黙を、ピスティはかすかに破りました。
「お前たちの言い分はわかったよ。でも、だとしても、じゃあ、なんではじめからそう説明してくれなかったんだ」
「今までの王さまは、レナさまを深く愛していました。きっと、今もそうでしょう。ですから、たとえ話したとしても、聴いてはもらえないと思ったのです」
 ピスティは反論することができませんでした。このような状況でなかったら、クリシーの言う通りだったからです。
「わかったよ」
 ピスティは素直に頷きました。
「それにしても、どうしてレナは生まれたんだろう。封印されていたのに・・・・・・」
「それは、恐れながら王さまが原因かもしれません」
「僕のせい? 僕の、何が」

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