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ここから始まる物語

第20章 再会、抱擁、功罪

 あの時は、一晩唱え続ければレナが消えるとクリシーは言っていましたが、今回はすでに効果が出始めているようです。
 人びとの思いで神がたくましくなったのだとクリシーは話していましたが、呪文の効果も強さを増しているのでしょうか。
 光はますます輝きを強くしていきます。
 やがて、あちこちから悲鳴があがり始めました。
 泣き叫ぶ声、苦しみに悶える声――さまざまな絶叫が、あちこちからあがります。
「どうした! 何があったんだ!」
 ピスティは大声で尋ねましたが、それに答える者はありませんでした。悲しみや苦しみに耐えるのでやっとだったのでしょう。
 やがて、円陣の真ん中から放たれていた光は、徐々に弱り始めました。
 そしてすっかり光が消えた時、あたりには、信じられない光景が広がっていたのでした。
 たくさんあったはずの市場や井戸や病院が、すっかりなくなっていたのです。そればかりではありません。魔法の力で建てた民衆たちの家は、みんな貧相で小さな家に戻ってしまっていたのです。
 もっと悲惨なこともありました。
 魔法の力で蘇っていた死者は骨だけになってしまい、その家族や友人が、骨にしがみついて泣いているのです。また、やはり魔法の力で美しい姿になっていた者たちも、元の姿に戻ってしまい、お互いに姿が元に戻ってしまっていることを指摘し合って泣き崩れているのです。
 そんな人びとをピスティは呆然と眺めていましたが、他人事ではありませんでした。ピスティも、同じような変化に襲われたのです。
 いきなり、腕が動かなくなってしまったのです。

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