ここから始まる物語
第4章 確執
ピスティは、持ったままの剣を振りあげると、我武者羅にフォビスの首許を狙って突きかかりました。
「ふん」
フォビスは鼻で笑うと、身を翻しざまに自分も剣を抜き放ちました。そして、蝶のように舞いながら剣を振ります。
ピスティも負けてはいません。剣を構えて、フォビスの剣を受けます。一連の動作を受けきってから反撃に出ようとしたのですが、フォビスが思いがけない動きをしました。いったん剣をさげたかと思うと、円を描くようにぐるりと回したのでしたのです。ピスティの剣を絡め取ろうと考えているのでしょう。
ピスティは、とっさに剣を引きました。その瞬間、
「うッ!」
ピスティは腕に激痛を覚え、剣を取り落としてしまいました。同時に、ピスティは体勢を崩し、その場に膝をついてしまいました。
見あげると、フォビスが口許に薄ら笑いを浮かべています。
「腕の怪我、やっぱりまだ治っていないようだね」
悔しさが込み上げてきました。
フォビスは、ピスティの弱点を利用したのです。ピスティは腕に怪我を負っていて、思い通りに剣を使うことができません。盗賊と戦った時もそうでした。それが原因で斬りつけられそうになってしまいました。
ピスティはやっと気づきました。さっきの動きは、ピスティが腕に痛みを感じる方向へ曲げさせるためのものだったのだ、と。
「卑怯者!」
叫ぶピスティの目の前に、フォビスが剣先を突きつけます。
「動いたら、この剣がおまえの喉笛を斬り裂くよ」
「ふん」
フォビスは鼻で笑うと、身を翻しざまに自分も剣を抜き放ちました。そして、蝶のように舞いながら剣を振ります。
ピスティも負けてはいません。剣を構えて、フォビスの剣を受けます。一連の動作を受けきってから反撃に出ようとしたのですが、フォビスが思いがけない動きをしました。いったん剣をさげたかと思うと、円を描くようにぐるりと回したのでしたのです。ピスティの剣を絡め取ろうと考えているのでしょう。
ピスティは、とっさに剣を引きました。その瞬間、
「うッ!」
ピスティは腕に激痛を覚え、剣を取り落としてしまいました。同時に、ピスティは体勢を崩し、その場に膝をついてしまいました。
見あげると、フォビスが口許に薄ら笑いを浮かべています。
「腕の怪我、やっぱりまだ治っていないようだね」
悔しさが込み上げてきました。
フォビスは、ピスティの弱点を利用したのです。ピスティは腕に怪我を負っていて、思い通りに剣を使うことができません。盗賊と戦った時もそうでした。それが原因で斬りつけられそうになってしまいました。
ピスティはやっと気づきました。さっきの動きは、ピスティが腕に痛みを感じる方向へ曲げさせるためのものだったのだ、と。
「卑怯者!」
叫ぶピスティの目の前に、フォビスが剣先を突きつけます。
「動いたら、この剣がおまえの喉笛を斬り裂くよ」