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第20章 再会、抱擁、功罪

 ピスティは、包帯だらけの自分の体を眺めました。まだ痛みは残っています。
「だからピスティさまの功罪は、差し引きすればゼロになりましょう。しかし、民衆同士が親しくなれたことを考えれば、功績の方がいくらかあるかもしれませんな」
「でも・・・・・・」
「納得出来ないのでしたら、みなの顔を見てみなされ」
 言われた通り、ピスティは顔を巡らせて、まわりにいる大勢の人の眺めました。
 ほとんどの人が、笑みを浮かべています。
「みんな、ありがとう」
 ほとんどの人は、きっと深く傷ついていることでしょう。それでもピスティに嫌な顔を見せなないのは、思いやりでしょうか。それとも、まだ十四歳という年齢のためでしょうか。いや、ひょっとしたら、いつかは復讐してやろうという本心を隠すたかもしれません。本当のところはわかりませんが、どんな理由であれ、ピスティの思いは変わりませんでした。
 そのかわらない心を、ピスティはみんなに向かって叫びました。
「みんな! 今までごめんなさい! そして、ありがとう!」
 ピスティの言葉に、民衆は歓声をあげて応えました。
 歓声があたりを包む中、クリシーが言いました。
「それでは、五年の歳月を私たちは待ちましょう。応援しております、国王陛下」
 恭しく礼をすると、クリシーは神の軍隊と共に、街から去っていきました。
 その後には、縛られたままのレナが、一人だけ残されていました。

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