ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
そんな時でした。国全体を揺るがすほどの事件が起きたのは・・・・・・。
なんと、エカタバガン帝国の軍が、またしてもアウィーコート王国へ攻め込んできたというのです。
エカタバガン軍はすでに国境を超えており、いくつかの村を焼いているということでした。
「なんで攻めてきたんだ」
ピスティが訊くと、家来の一人が答えました。
「王位継承で揉めているアウィーコート王国の国民を救うためだ、と向こうは言っています」
「なんなんだ、それは」
確かに父のブロミアが亡くなって以来、兄とは争い、ピスティ自身は騙されたり喧嘩をしたり大怪我を負ったりなど、いろいろなことがありました。王としての職務をこなせなかったことで、国全体がうまく回らなかったこともあるでしょう。だからといって、侵略してきた相手にどうこう言われる筋合いはありません。ましてや、すでに村を焼いた人間のいう言葉ではありません。
そもそも、国民を救うためなんて嘘に決まっています。本当はそういう理由で攻めてきて、アウィーコートの土地を奪いたいだけでしょう。
そんな相手にアウィーコート王国を奪われるわけにはいきません。
「アウィーコート王国は僕が守ってみせる!」
ピスティは、家来たちにむかって、そう宣言してみせました。家来たちは声を合わせて、
「おう!」
と頼もしい声で答えました。
しかし、国民は、今二つに割れています。それもピスティの評判をめぐって・・・・・・。こんな状態で、果たしてエカタバガンの大軍を打ち破ることができるのでしょうか。そういう不安がある一方で、ピスティは同時にこうも思うのです。
――この戦いに勝つことができたなら、きっと僕の評判もあがるし、国民は一枚岩になるはずだ。
戦いに勝つだけではなく、勝ったあとの国のあり方まで考えるなら、ここは絶対に負けられません。
なんと、エカタバガン帝国の軍が、またしてもアウィーコート王国へ攻め込んできたというのです。
エカタバガン軍はすでに国境を超えており、いくつかの村を焼いているということでした。
「なんで攻めてきたんだ」
ピスティが訊くと、家来の一人が答えました。
「王位継承で揉めているアウィーコート王国の国民を救うためだ、と向こうは言っています」
「なんなんだ、それは」
確かに父のブロミアが亡くなって以来、兄とは争い、ピスティ自身は騙されたり喧嘩をしたり大怪我を負ったりなど、いろいろなことがありました。王としての職務をこなせなかったことで、国全体がうまく回らなかったこともあるでしょう。だからといって、侵略してきた相手にどうこう言われる筋合いはありません。ましてや、すでに村を焼いた人間のいう言葉ではありません。
そもそも、国民を救うためなんて嘘に決まっています。本当はそういう理由で攻めてきて、アウィーコートの土地を奪いたいだけでしょう。
そんな相手にアウィーコート王国を奪われるわけにはいきません。
「アウィーコート王国は僕が守ってみせる!」
ピスティは、家来たちにむかって、そう宣言してみせました。家来たちは声を合わせて、
「おう!」
と頼もしい声で答えました。
しかし、国民は、今二つに割れています。それもピスティの評判をめぐって・・・・・・。こんな状態で、果たしてエカタバガンの大軍を打ち破ることができるのでしょうか。そういう不安がある一方で、ピスティは同時にこうも思うのです。
――この戦いに勝つことができたなら、きっと僕の評判もあがるし、国民は一枚岩になるはずだ。
戦いに勝つだけではなく、勝ったあとの国のあり方まで考えるなら、ここは絶対に負けられません。