
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
ピスティは、汗で額に張り付いている髪をかきあげました。そして息を整えてから、フォビスに向かって叫びました。
「なんで貴様がエカタバガンの味方をしているんだ! この裏切り者が!」
しかしフォビスは鼻で笑うばかり。ふんと鼻を鳴らすと、顎をあげてピスティを見下します。
「馬鹿なことを言うねえ。この私が裏切っただと? 私から立場も名誉も何もかもを奪ったのは、お前の方だろう、ピスティ」
あくまで冷静な態度をとっているように見えましたが、内側には煮えるような怒りを秘めていたようです。フォビスは一転、目つきを鋭くしたたかと思うと、途端に声を荒くしました。
「私から何もかもを奪った貴様と、貴様の治める国に、それでも忠義を貫けると思うか!」
「黙れ! 貴様こそ僕を前線に立たせて殺そうとしたことがあるじゃないか! すべてを奪われたというなら、自分がどれほど憎しみの種を撒いたのかを振り返れ!」
がちゃり、とピスティは剣を握り直しました。そのわずかな動作を、フォビスも見逃さなかったようです。
「どうやら、決着をつけなくてはならないようだね」
フォビスも、剣を前へ突き出しました。
「そのようだ」
ピスティは、握り直した剣に、もう片方の手を添えました。
これが最後の戦いとなるでしょう。ピスティは思いの丈をフォビスにぶつけました。
「行くぞ! 貴様の恨みを打ち砕く!」
フォビスもそれに応えます。
「来い! 貴様を恨みで打ち砕く!」
「おおおおおおおおッ」
ピスティは雄叫びをあげながら、フォビスをめがけて突き進みました。
「なんで貴様がエカタバガンの味方をしているんだ! この裏切り者が!」
しかしフォビスは鼻で笑うばかり。ふんと鼻を鳴らすと、顎をあげてピスティを見下します。
「馬鹿なことを言うねえ。この私が裏切っただと? 私から立場も名誉も何もかもを奪ったのは、お前の方だろう、ピスティ」
あくまで冷静な態度をとっているように見えましたが、内側には煮えるような怒りを秘めていたようです。フォビスは一転、目つきを鋭くしたたかと思うと、途端に声を荒くしました。
「私から何もかもを奪った貴様と、貴様の治める国に、それでも忠義を貫けると思うか!」
「黙れ! 貴様こそ僕を前線に立たせて殺そうとしたことがあるじゃないか! すべてを奪われたというなら、自分がどれほど憎しみの種を撒いたのかを振り返れ!」
がちゃり、とピスティは剣を握り直しました。そのわずかな動作を、フォビスも見逃さなかったようです。
「どうやら、決着をつけなくてはならないようだね」
フォビスも、剣を前へ突き出しました。
「そのようだ」
ピスティは、握り直した剣に、もう片方の手を添えました。
これが最後の戦いとなるでしょう。ピスティは思いの丈をフォビスにぶつけました。
「行くぞ! 貴様の恨みを打ち砕く!」
フォビスもそれに応えます。
「来い! 貴様を恨みで打ち砕く!」
「おおおおおおおおッ」
ピスティは雄叫びをあげながら、フォビスをめがけて突き進みました。
