
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
が、すでに額を割られているフォビスの剣には、技も筋もありませんでした。ただでたらめに振られているばかりです。
その剣をかわすことは、ピスティにとっては簡単なことでした。
ピスティは横に一歩だけ動いて剣をかわすと、今度はフォビスの脇腹に、深く剣を突き刺しました。
「ぬうッ」
フォビスは呻き声をあげました。額に血管が浮き、顔がどす黒く染まります。やがて口の端から、赤い筋が流れ出しました。
「終わりだ!」
フォビスの脇腹に深く突き刺した剣を、ピスティは一気に引き抜きました。
「負ける、もの、か・・・・・・」
フォビスはしばらくの間、ピスティを睨みつけていましたが、やがて力尽きたのか、その場に倒れて動かなくなってしまいました。
「勝った、のか・・・・・・」
ピスティの息は、乱れきっていました。息を吸っても吸っても足りません。胸の内側では心臓が暴れています。頭も腕も足も腹も、皮膚も肉も、全身のすべてが脈打っています。
それでも、ピスティはまだ休むわけにはいきませんでした。
いくらフォビスを倒したとはいえ、フォビスは敵の将軍ではないのです。将軍を倒すまでは、この戦いに勝ったとは言えないのです。
その剣をかわすことは、ピスティにとっては簡単なことでした。
ピスティは横に一歩だけ動いて剣をかわすと、今度はフォビスの脇腹に、深く剣を突き刺しました。
「ぬうッ」
フォビスは呻き声をあげました。額に血管が浮き、顔がどす黒く染まります。やがて口の端から、赤い筋が流れ出しました。
「終わりだ!」
フォビスの脇腹に深く突き刺した剣を、ピスティは一気に引き抜きました。
「負ける、もの、か・・・・・・」
フォビスはしばらくの間、ピスティを睨みつけていましたが、やがて力尽きたのか、その場に倒れて動かなくなってしまいました。
「勝った、のか・・・・・・」
ピスティの息は、乱れきっていました。息を吸っても吸っても足りません。胸の内側では心臓が暴れています。頭も腕も足も腹も、皮膚も肉も、全身のすべてが脈打っています。
それでも、ピスティはまだ休むわけにはいきませんでした。
いくらフォビスを倒したとはいえ、フォビスは敵の将軍ではないのです。将軍を倒すまでは、この戦いに勝ったとは言えないのです。
