
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
アビナモスはすべての思いを飲み込んで、味方に合流するためにその場から去ろうとしました。復讐するにしても街を攻め落とすにしても、ばらばらになってしまった味方を建て直さなくては始まりません。
アビナモスが、逃げ出そうと一歩踏み出した時です。
「よくもアウィーコートの女を攫ったりしただな! 許さねえぞ!」
ライが、持っていた梯子を力任せにぶん回しました。
風を切る音と共に、森の木々がなぎ倒されます。
アビナモスは、あやうく頭を砕かれそうになりましたが、とっさにその場へ倒れ込んだことで、なんとか梯子をかわすことができました。
が、起きあがる間もなく、ライが叫びました。
「ピスティさま! ここに敵の将軍がいるだよ。来てくれろ!」
アビナモスは、もう腰が抜けて立ち上がることができません。仕方なく、地面に這いつくばって、茂みの中に身を隠しました。まるで虫にでもなったようで、とても惨めな気分です。
それでも、惨めでもなんでも、この場をやり過ごさなくてはいけません。
アビナモスは、地面を這って、見つからないようにより遠くへ行こうと地面を這い進みました。
が、思いのほか早く、ピスティの率いる一隊がやって来てしまいました。声を聞いていると、どうやらレナまでいるようです。アビナモスは地面に這いつくばっているので、茂みより上を見ることができません。それでも足元は見えます。
大勢の兵士たちの足元が見えるのですが、なぜかその中に、軍隊とは思えないものがいくつも混じっていました。まるで、庶民が暮らしの中で履いているような、いたって普通の靴です。話し声を聞いていると、どうやら、レナは義勇軍を率いているこがわかりました。
軍隊だけではなく、庶民まで立ち上がるとは思ってもいませんでした。しかもそれが、今はここに集まっているのです。
まわりはすっかり敵だらけです。
アビナモスは、すぐに見つかってしまいました。
ライに襟首を掴まれて、アビナモスは無理やり立ち上がらされてしまいました。それと同時に、ピスティが剣の先を喉元に突きつけてきます。
「アビナモスだな」
ピスティが、矢のような視線でアビナモスを睨みつけています。
アビナモスが、逃げ出そうと一歩踏み出した時です。
「よくもアウィーコートの女を攫ったりしただな! 許さねえぞ!」
ライが、持っていた梯子を力任せにぶん回しました。
風を切る音と共に、森の木々がなぎ倒されます。
アビナモスは、あやうく頭を砕かれそうになりましたが、とっさにその場へ倒れ込んだことで、なんとか梯子をかわすことができました。
が、起きあがる間もなく、ライが叫びました。
「ピスティさま! ここに敵の将軍がいるだよ。来てくれろ!」
アビナモスは、もう腰が抜けて立ち上がることができません。仕方なく、地面に這いつくばって、茂みの中に身を隠しました。まるで虫にでもなったようで、とても惨めな気分です。
それでも、惨めでもなんでも、この場をやり過ごさなくてはいけません。
アビナモスは、地面を這って、見つからないようにより遠くへ行こうと地面を這い進みました。
が、思いのほか早く、ピスティの率いる一隊がやって来てしまいました。声を聞いていると、どうやらレナまでいるようです。アビナモスは地面に這いつくばっているので、茂みより上を見ることができません。それでも足元は見えます。
大勢の兵士たちの足元が見えるのですが、なぜかその中に、軍隊とは思えないものがいくつも混じっていました。まるで、庶民が暮らしの中で履いているような、いたって普通の靴です。話し声を聞いていると、どうやら、レナは義勇軍を率いているこがわかりました。
軍隊だけではなく、庶民まで立ち上がるとは思ってもいませんでした。しかもそれが、今はここに集まっているのです。
まわりはすっかり敵だらけです。
アビナモスは、すぐに見つかってしまいました。
ライに襟首を掴まれて、アビナモスは無理やり立ち上がらされてしまいました。それと同時に、ピスティが剣の先を喉元に突きつけてきます。
「アビナモスだな」
ピスティが、矢のような視線でアビナモスを睨みつけています。
