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ここから始まる物語

第22章 最後の戦い

 いきなり、敵の兵士たちが悲鳴をあげ始めたのでした。
 喚声や雄叫びではなく、悲鳴です。
 同時に、攻撃の手があっという間に緩みました。その隙に敵を攻撃しようと思ったのですが、ピスティにはもう、そんな力は残っていませんでした。仲間たちも同じです。反撃に出る力など、もうない様子。せっかくできた隙は、ほんの一瞬の休憩となったのでした。
 しかし、敵がふたたび攻撃してくることはありませんでした。
 もはやピスティたちには構っていられないといった様子で、てんでばらばらに動き始めています。
 何が起こったというのでしょう。
 不思議に思って眺めてみると、ひしめく敵の兵士の間から、何やら光り輝くものが見えるではありませんか。
「なんだろう」
 仲間たちも顔を見合わせています。
 よく目を凝らしてみると、その光り輝くものは、鎧でした。
 金色の鎧、金色の兜、金色の剣を持った集団が、次つぎとエカタバガン軍を蹴散らしているのです。
 ――あれは!
 ピスティはすぐにそれが何者かわかりました。
 あれは――そう、神の軍隊です。

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