
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
【戦いの終わり】
クリシーは胸をなでおろしました。兵士の数は、圧倒的にエカタバガンの方が多いようですが、神の軍隊が駆けつけたおかげで、戦いはアウィーコートに有利に傾いたようです。
※
ピスティは最後の力を込めて、敵の兵士を斬りつけました。
敵は、その場に、どうっと崩れ落ちました。
もう、ほとんど戦うべき敵はいません。敵はまだたくさん残っていますが、逃げ出す者ばかりです。
ピスティは、もう立っているのもやっとでした。身体中が痛みに覆われています。でも、ここで倒れるわけにはいきません。王である自分が倒れたら、仲間の士気に響きます。
逃げていく敵を見て、ピスティは勝利を宣言しようとしました。しかし、ひとりの人物が目に止まって、出そうとしていた声を飲み込みました。
その人物とは――。
アビナモスでした。
恐怖のせいか、おぼつかない足腰で、仲間の死体を超えていくその姿は、紛れもなく、アビナモスでした。
ピスティは、もう残っていない力を振り絞って、アビナモスに近づくと、腕を引っ張りました。
「ひいッ」
アビナモスは情けない声をあげて、後ろに倒れ込みます。
そんなアビナモスを、仲間がいっせいに取り囲みました。エカタバガンの兵士たちも、さっきのようにアビナモスを助けに来ようとはしません。
ピスティは、地面に尻餅をついているアビナモスに、剣を突きつけました。
「この戦いは僕らの勝利だ。誓え。二度と、アウィーコートに攻め入って来ないと」
息が乱れているせいで、うまく言葉を紡ぐことはできませんでしたが、それでも、なんとか最後まで言い切りました。
クリシーは胸をなでおろしました。兵士の数は、圧倒的にエカタバガンの方が多いようですが、神の軍隊が駆けつけたおかげで、戦いはアウィーコートに有利に傾いたようです。
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ピスティは最後の力を込めて、敵の兵士を斬りつけました。
敵は、その場に、どうっと崩れ落ちました。
もう、ほとんど戦うべき敵はいません。敵はまだたくさん残っていますが、逃げ出す者ばかりです。
ピスティは、もう立っているのもやっとでした。身体中が痛みに覆われています。でも、ここで倒れるわけにはいきません。王である自分が倒れたら、仲間の士気に響きます。
逃げていく敵を見て、ピスティは勝利を宣言しようとしました。しかし、ひとりの人物が目に止まって、出そうとしていた声を飲み込みました。
その人物とは――。
アビナモスでした。
恐怖のせいか、おぼつかない足腰で、仲間の死体を超えていくその姿は、紛れもなく、アビナモスでした。
ピスティは、もう残っていない力を振り絞って、アビナモスに近づくと、腕を引っ張りました。
「ひいッ」
アビナモスは情けない声をあげて、後ろに倒れ込みます。
そんなアビナモスを、仲間がいっせいに取り囲みました。エカタバガンの兵士たちも、さっきのようにアビナモスを助けに来ようとはしません。
ピスティは、地面に尻餅をついているアビナモスに、剣を突きつけました。
「この戦いは僕らの勝利だ。誓え。二度と、アウィーコートに攻め入って来ないと」
息が乱れているせいで、うまく言葉を紡ぐことはできませんでしたが、それでも、なんとか最後まで言い切りました。
