ここから始まる物語
第6章 出逢い
その時以来、ピスティは魔法の話を聞いたことはありません。ピスティからも話したことはありませんでした。
どうして魔法が怖いのかわかりませんが、目の前の少女が、思いがけず「魔法」という言葉を口にしたので、ピスティは驚いてしまったのでした。
言葉も出ないピスティに、少女はつっかかるように言いました。
「なによ。魔法が怖いの?」
そう言われると、ピスティは素直に頷くことができません。
「怖くなんかないさ。なんで怖いと思うんだよ」
そう、怖くなんかないはずです。ピスティは、その力によって助けられたのですから。
「そうよね」
少女は顎をあげて、見おろすような視線をよこしました。ピスティよりも背が低いというのに、気持ちは大きいようです。
「ところで、あなた、名前は?」
「僕はピスティだ」
「そう。ピスティっていうのね。ピスティは腕に怪我をしていたでしょ。それもついでに治してあげたわ」
「腕?」
幼いころに木から飛び降りて負った怪我のことでしょう。でも、その怪我は、医者からも治らないと言われていたものでした。
「そんな、ばかな」
「本当よ。嘘と思うなら、腕を曲げてみたらいいわ。本当だってわかるから」
やけに強気です。
ピスティは、試しに腕を動かしてみました。動かすと痛みの走る方向へ、腕を動かします。おそるおそる、ゆっくりと・・・・・・。しかし、本当に腕に痛みは感じませんでした。
「本当だ」
嬉しくなって、ピスティは腕をぐるぐると回してみました。痛みもないし、自由に動かすことができます。
「すごい! ありがとう!」
ピスティは感激のあまり、少女の小さな体を抱きしめました。さっきまで小生意気な女だと思っていたことは、とっくに忘れています。
どうして魔法が怖いのかわかりませんが、目の前の少女が、思いがけず「魔法」という言葉を口にしたので、ピスティは驚いてしまったのでした。
言葉も出ないピスティに、少女はつっかかるように言いました。
「なによ。魔法が怖いの?」
そう言われると、ピスティは素直に頷くことができません。
「怖くなんかないさ。なんで怖いと思うんだよ」
そう、怖くなんかないはずです。ピスティは、その力によって助けられたのですから。
「そうよね」
少女は顎をあげて、見おろすような視線をよこしました。ピスティよりも背が低いというのに、気持ちは大きいようです。
「ところで、あなた、名前は?」
「僕はピスティだ」
「そう。ピスティっていうのね。ピスティは腕に怪我をしていたでしょ。それもついでに治してあげたわ」
「腕?」
幼いころに木から飛び降りて負った怪我のことでしょう。でも、その怪我は、医者からも治らないと言われていたものでした。
「そんな、ばかな」
「本当よ。嘘と思うなら、腕を曲げてみたらいいわ。本当だってわかるから」
やけに強気です。
ピスティは、試しに腕を動かしてみました。動かすと痛みの走る方向へ、腕を動かします。おそるおそる、ゆっくりと・・・・・・。しかし、本当に腕に痛みは感じませんでした。
「本当だ」
嬉しくなって、ピスティは腕をぐるぐると回してみました。痛みもないし、自由に動かすことができます。
「すごい! ありがとう!」
ピスティは感激のあまり、少女の小さな体を抱きしめました。さっきまで小生意気な女だと思っていたことは、とっくに忘れています。