ここから始まる物語
第6章 出逢い
「その名前を、私に受け取ってほしいと願うなら、その名前をもらってあげてもいいわ」
どこまでも強気を通したいようです。その態度が、さっきまでは鼻についていたのですが、不思議なことに、今は親しみを感じます。ピスティは床に片膝をついて、少女の顔を見あげました。
「どうか、もらっておくれ」
少女は目を鋭くしました。
「いいわ。もらってあげる」
「ありがとう、レナ」
さっそくその名で呼ぶと、
「馬鹿ッ」
レナはくるりと体をかえして、ピスティに背中を向けました。でも、ピスティは確かに見ました。レナが後ろを向く瞬間に、白いほほがほのかに桃色を帯びたところを・・・・・・。
どうやら、気に入ってもらえたようです。仲良くなれるかもしれません。
「それにしても、ここはどこなんだろう」
ピスティは立ち上がりながら部屋の中を見渡しました。
「私にもわからないわ。でも、ここは祠の中よ」
「祠だって?」
「そう。ピスティを助けたあと、まだ気を失っているようだったから、とりあえず祠の中に運んだの」
「それじゃあ、すぐにでも出られるんだね!」
ピスティの胸の中にあった心配は、一気に溶けていきました。すっかり、ここに閉じ込められてしまったものと勘違いしていたのです。レナが自分で入ってきたなら出ることもできるでしょう。
「じゃあ、すぐに出よう」
こんな薄暗いところにいるのはまっぴらです。
「そうね」
レナもそれには反対しませんでした。
そして、二人で扉に向かって歩き始めた時です。
どこまでも強気を通したいようです。その態度が、さっきまでは鼻についていたのですが、不思議なことに、今は親しみを感じます。ピスティは床に片膝をついて、少女の顔を見あげました。
「どうか、もらっておくれ」
少女は目を鋭くしました。
「いいわ。もらってあげる」
「ありがとう、レナ」
さっそくその名で呼ぶと、
「馬鹿ッ」
レナはくるりと体をかえして、ピスティに背中を向けました。でも、ピスティは確かに見ました。レナが後ろを向く瞬間に、白いほほがほのかに桃色を帯びたところを・・・・・・。
どうやら、気に入ってもらえたようです。仲良くなれるかもしれません。
「それにしても、ここはどこなんだろう」
ピスティは立ち上がりながら部屋の中を見渡しました。
「私にもわからないわ。でも、ここは祠の中よ」
「祠だって?」
「そう。ピスティを助けたあと、まだ気を失っているようだったから、とりあえず祠の中に運んだの」
「それじゃあ、すぐにでも出られるんだね!」
ピスティの胸の中にあった心配は、一気に溶けていきました。すっかり、ここに閉じ込められてしまったものと勘違いしていたのです。レナが自分で入ってきたなら出ることもできるでしょう。
「じゃあ、すぐに出よう」
こんな薄暗いところにいるのはまっぴらです。
「そうね」
レナもそれには反対しませんでした。
そして、二人で扉に向かって歩き始めた時です。