ここから始まる物語
第8章 企みの底で
「どういうことだ、とでも言いたそうな顔だね」
フォビスはにやにやと笑っています。
「教えてあげるよ。父上はこの通りだし、何より、今は私が王だからね」
勝ち誇った態度です。
「ピスティ。おまえが退治したのは山賊なんかじゃない」
「なんだって?」
「おまえが戦いを挑んだのはね――」
エカタバガン帝国の、正式な軍隊だったんだよ――とフォビスは言いました。
「馬鹿な!」
「馬鹿なものかッ!」
フォビスは珍しく声を荒らげました。
「お前も知っての通り、今、エカタバガンの軍隊が攻めてきている。それは、おまえがエカタバガン帝国の軍隊に手を出したからだよ。それに怒って、エカタバガンは攻め寄せてきたんだ。今やアウィーコート王国は滅びるかもしれない寸前のところだ」
「それはおかしい!」
ピスティは言い返しました。
「何がおかしいっていうんだい」
「僕は、たしかにエカタバガン帝国の軍隊に手を出してしまったのかもしれない。山賊と間違えて・・・・・・。でも、先に手を出してきたのは向こうだ。勝手に国境を超えてきた相手を追い返して何が悪い!」
「浅はかだね、おまえは」
ふふふ、とフォビスは笑います。
「おまえは知らないかもしれないが、国を超えてしまったことについては、すでにエカタバガン帝国から手紙が届いている」
「手紙?」
「そうさ。手紙にはこうあったよ。――山の中だったので、国境を誤って超えてしまった、申し訳なかった――とね」
「・・・・・・・・・・・・」
ピスティは言葉を失いました。それが本当なら、ピスティは、すべて自分が間違っていたことを認めなくてはいけません。
身体がぶるぶると震えます。
フォビスはにやにやと笑っています。
「教えてあげるよ。父上はこの通りだし、何より、今は私が王だからね」
勝ち誇った態度です。
「ピスティ。おまえが退治したのは山賊なんかじゃない」
「なんだって?」
「おまえが戦いを挑んだのはね――」
エカタバガン帝国の、正式な軍隊だったんだよ――とフォビスは言いました。
「馬鹿な!」
「馬鹿なものかッ!」
フォビスは珍しく声を荒らげました。
「お前も知っての通り、今、エカタバガンの軍隊が攻めてきている。それは、おまえがエカタバガン帝国の軍隊に手を出したからだよ。それに怒って、エカタバガンは攻め寄せてきたんだ。今やアウィーコート王国は滅びるかもしれない寸前のところだ」
「それはおかしい!」
ピスティは言い返しました。
「何がおかしいっていうんだい」
「僕は、たしかにエカタバガン帝国の軍隊に手を出してしまったのかもしれない。山賊と間違えて・・・・・・。でも、先に手を出してきたのは向こうだ。勝手に国境を超えてきた相手を追い返して何が悪い!」
「浅はかだね、おまえは」
ふふふ、とフォビスは笑います。
「おまえは知らないかもしれないが、国を超えてしまったことについては、すでにエカタバガン帝国から手紙が届いている」
「手紙?」
「そうさ。手紙にはこうあったよ。――山の中だったので、国境を誤って超えてしまった、申し訳なかった――とね」
「・・・・・・・・・・・・」
ピスティは言葉を失いました。それが本当なら、ピスティは、すべて自分が間違っていたことを認めなくてはいけません。
身体がぶるぶると震えます。