ここから始まる物語
第9章 アウィーコート大戦役
もしかしたら、その時間稼ぎこそが相手の狙いではないでしょうか。
ついさっきも、部下の兵士が言っていました。
アウィーコート王国は、アマヤイシン国に援軍を求めているそうですよ――。
アビナモスはハッとして顔をあげました。
するとどうでしょう。街の守備門のはるか向こうに、緑色にはためくいくつもの旗が見えるではありませんか。
――あの旗は。
間違いなく、アマヤイシン国の旗でした。
しかも、凄まじい数の兵士が、ぞくぞくと街の中へ入ってきている様子です。
アウィーコートはともかく、アマヤイシンが出てきたとなると、もう手は出せません。これ以上戦うということは、アマヤイシンを敵にまわすことになります。アマヤイシンは、エカタバガンに並ぶ大国。その大国を敵に回してもいいのかどうか、それはアビナモス一人で決められることではありません。
つまり、今はこれ以上戦うことはできないのです。
「小賢しい奴らめ!」
アビナモスは歯ぎしりをして悔しがました。
「退け! 撤退!」
アビナモスはそう命令を出すと、みずからも馬を返しました。
アマヤイシンは、どうしてアウィーコートに力を貸したのでしょうか。決してアウィーコートと仲が良かったわけではないのですが・・・・・・。
アビナモスはそれを知りたくて、さっきの部下を探しました。
アウィーコート王国は、アマヤイシン国に援軍を求めているそうですよ――。
そう言っていた部下です。
しかし、どこを見ても、その部下の姿は見えませんでした。
ついさっきも、部下の兵士が言っていました。
アウィーコート王国は、アマヤイシン国に援軍を求めているそうですよ――。
アビナモスはハッとして顔をあげました。
するとどうでしょう。街の守備門のはるか向こうに、緑色にはためくいくつもの旗が見えるではありませんか。
――あの旗は。
間違いなく、アマヤイシン国の旗でした。
しかも、凄まじい数の兵士が、ぞくぞくと街の中へ入ってきている様子です。
アウィーコートはともかく、アマヤイシンが出てきたとなると、もう手は出せません。これ以上戦うということは、アマヤイシンを敵にまわすことになります。アマヤイシンは、エカタバガンに並ぶ大国。その大国を敵に回してもいいのかどうか、それはアビナモス一人で決められることではありません。
つまり、今はこれ以上戦うことはできないのです。
「小賢しい奴らめ!」
アビナモスは歯ぎしりをして悔しがました。
「退け! 撤退!」
アビナモスはそう命令を出すと、みずからも馬を返しました。
アマヤイシンは、どうしてアウィーコートに力を貸したのでしょうか。決してアウィーコートと仲が良かったわけではないのですが・・・・・・。
アビナモスはそれを知りたくて、さっきの部下を探しました。
アウィーコート王国は、アマヤイシン国に援軍を求めているそうですよ――。
そう言っていた部下です。
しかし、どこを見ても、その部下の姿は見えませんでした。