ここから始まる物語
第9章 アウィーコート大戦役
アビナモスは血の気が引くのを感じました。
まさか、さっき見たアマヤイシンの軍隊は――。
※
「アマヤイシンの軍隊は偽物ですじゃ」
かっかっか、とゲンは声をあげて笑いました。
ピスティはあっけに取られていました。ついさっきまで、敵に追い詰められていたというのに、その敵がいきなり退却してしまったのです。
何が起きたのかとピスティがあたりを見まわすと、街の南から、いかにも強そうな軍隊が進んでくるのが見えたのです。旗を見れば、それがアマヤイシンの軍であることがすぐにわかりました。
まさか本当にアマヤイシンが味方をしてくれるとは思っていなかったのでびっくりしたのですが、軍隊が近づいてくるにつれて、ピスティはもう一度びっくりしたのでした。
というのも、軍隊は偽物だったのです。
遠くから見たら、勇壮な軍隊が旗をはためかせて近づいてくるように見えたのですが、いざ近くにまで迫ってみると、それは軍隊どころが人間でさえありませんでした。
軍隊と見えたのは、木を縦と横に組み合わせただけのものです。それに、壊れた鎧を着せて武器を持たせているのです。そんなのが数え切れないくらい並んでいるのです。
また、旗も偽物でした。アヤマイシンの旗は、正確には緑色の中に小さな太陽のような模様がついているのですが、よく見てみると、緑色はまだらにしか染まっていないし、真ん中の太陽のような模様も、単に黄色い丸が描いてあるだけです。
偽物の兵士も、偽物の旗も、雑な作りです。
まさか、さっき見たアマヤイシンの軍隊は――。
※
「アマヤイシンの軍隊は偽物ですじゃ」
かっかっか、とゲンは声をあげて笑いました。
ピスティはあっけに取られていました。ついさっきまで、敵に追い詰められていたというのに、その敵がいきなり退却してしまったのです。
何が起きたのかとピスティがあたりを見まわすと、街の南から、いかにも強そうな軍隊が進んでくるのが見えたのです。旗を見れば、それがアマヤイシンの軍であることがすぐにわかりました。
まさか本当にアマヤイシンが味方をしてくれるとは思っていなかったのでびっくりしたのですが、軍隊が近づいてくるにつれて、ピスティはもう一度びっくりしたのでした。
というのも、軍隊は偽物だったのです。
遠くから見たら、勇壮な軍隊が旗をはためかせて近づいてくるように見えたのですが、いざ近くにまで迫ってみると、それは軍隊どころが人間でさえありませんでした。
軍隊と見えたのは、木を縦と横に組み合わせただけのものです。それに、壊れた鎧を着せて武器を持たせているのです。そんなのが数え切れないくらい並んでいるのです。
また、旗も偽物でした。アヤマイシンの旗は、正確には緑色の中に小さな太陽のような模様がついているのですが、よく見てみると、緑色はまだらにしか染まっていないし、真ん中の太陽のような模様も、単に黄色い丸が描いてあるだけです。
偽物の兵士も、偽物の旗も、雑な作りです。