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　ライは、その大きな体で門を塞ぐように立ちはだかり、フウはいつでも飛び道具を投げられるように構えています。
　ゲンは戦えないので特別な構えは見せていませんが、針のように鋭い視線を兄たちに向けています。
　兄のフォビスは、立ち止まったまま固まってしまっています。唯一の逃げ道を閉ざされ、かといってピスティたちを突破することもできず、どうしていいのかわからなくなっているのでしょう。
　また、逃げることもできそうにありませんでした。
　フォビスひとりなら、引き返して逃げることもできたかもしれませんが、フォビスは一人ではなかったのです。
　フォビスは、荷車を引いていました。荷車に乗っているのは――。
　ブロミアでした。
　ブロミアは病に倒れて身動きができないので、フォビスがこうして荷車に乗せて逃げてきたのでしょう。