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ゆらぎ

第1章 定かでないもの

例えば恐竜が生きていて

僕を頭からすっぽり食べてくれたら

どれだけすっきりするだろう

もう

ウソをつかなくてすむんだから


例えば宇宙人がやってきて

僕を謎の光線で消し去ってくれたら

どれだけさっぱりするだろう

もう

誰も裏切らなくてすむんだから


今日も僕はウソをつきそうだ

今日も僕は裏切りそうだ

今日も僕は逃げ出しそうだ

僕はあなたの期待に応えられそうにないから

僕はあなたが思うような僕ではないから

寒気がして嘔吐しそうで

死ぬわけないのに

死にそうで

死ねばいいのに

その勇気もなくて

自己嫌悪にさいなまれ

自己嫌悪ですら自己満足で

堂々巡りに陥っても

それでも

やっぱり夜は明け

朝焼けがめちゃくちゃに綺麗だったりする


だから

やっぱりあなたに会いたい



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