❇️片暉の残照❇️
第6章 植物園と銀の狼
「しかも……みすぼらしいお前が――――…黄金色の髪を持っているなんてのも腹立たしい!王族にでもなったつもりか――――…は?なに…その…左目――――眼帯?まさかっ!病気――――っ!きっ汚い!」
彼女は私の左目の眼帯を見て気持ちが悪いと思ったのか…私を泥の中に突き飛ばした!
「――――いっ!」
泥に突き飛ばされ衝撃で手首を痛めたが…“頭を下げてたえろ!”と言う先輩の言葉を思いだし、再び頭を下げる。
泥まみれではあるが……
「この――――目は…幼いときの怪我でして…傷があるので隠しているだけです…病気ではございません」
と、「やだ!私も病気になってしまうわ!医師をここに!」騒ぐ彼女に告げる。
「――――傷!?本当ね!これで熱でも出たら貴方を死罪にするわよ!」
しかし、私を突き飛ばしたことにより更にドレスに泥が跳ねた事に気がつき!
怒りが再熱し更に扇子で顔を叩いた!しかも…左目側を中心に…
「痛っい――――…いた…///」
「愚民が!お前が一生働いても買えないここドレスに謝れ!謝れ――――!」
周りで見ていた侍女たちも園関係者も、彼女を止めることができず…オロオロとするばかり。