❇️片暉の残照❇️
第6章 植物園と銀の狼
ひたすら…叩かれ続けていたところに――――…、門番をしていた兵士が慌ててホールに入ってきた!
「――――大変でございます!サンドラ様が!ご来園でございます!」
「!?――――サンドラ様が?」
「――――…」
“サンドラ”と言う人物が予告もなしに植物園に来たらしく…赤毛の彼女の思考は180度変わった。
「///っえ?サンドラ様が?やだ――――えっ?嘘…///あら!やだ!お出迎えしないと!」
彼女は般若のような恐ろしい顔から、恋をする甘い顔に表情を作り替えホールに戻った。
何人かの侍女が彼女の少し汚れたドレスの泥をぬぐうと…後に続いて行った。
「――――ハァハァ……痛い…」
「///大丈夫…ですか?これを……」
しかし、1人の侍女が私の手にハンカチを握らせる…
「傷ついている左を攻めるなんて―――…ごめんなさい。貴女も…女の子なのに……」
そう言うと――――彼女は他の侍女の後に続き私たちの元から去っていった。