❇️片暉の残照❇️
第6章 植物園と銀の狼
「泥まみれだなぁ――――…ここは俺たちがやるから、新人は顔を洗ってこい…騒ぎを聞き付けて所長が呼ばれるかもしれん……そしたらザジと交換して、お前は研究所に戻れ――――…いいな?」
「――――でも…作業が…!」
「大丈夫だ!土の掘り起こしが大変なだけで…ここからは他のバランスを考えながらの植え替えだ――――…新人にはまだ早ぇ~んだよ!休んでても問題ない!」
私は、その作業も見たかったのだが――――…さすがに泥まみれではいられないと思い、先輩に頭を下げて…裏口の水場まで向かった。
「――――あんな風に怒る人……初めて見た…。凄い早口だったなぁ……」
私は馬車の荷台からタオルと予備だと言っていた先輩の作業着を引っ張り出した。