❇️片暉の残照❇️
第6章 植物園と銀の狼
泥のついた作業着を脱ぎ――――…腕や顔に付いた泥をタオルを水で濡らし拭き取る。
「――――いっ…痛い…?」
突き飛ばされた時に手首を捻ったのを思い出す。
「左手で良かったぁ――――」
髪に付いた泥を水ですすぎながら左手首をかばいつつ…眼帯を外した。
「やっぱり――――汚れてる…水で落ちるかなぁ」
秋も半ばのこの時期――――水は冷たいが…泥まみれでいるよりはいいと……眼帯を洗うも…左手首が痛くて上手く絞れず…ついモタモタしてしまう。
「――――おいおい…こんな寒空に…水浴びとは……しかも――――下着姿とは…大胆だなぁ…」
「///ヒッ――――きゃぁ!」
私は後ろから声をかけられ慌てて振り替える――――!
「王族……?いや――――こんな…綺麗な黄金色の髪…見たことねぇなぁ」
振り替えると――――そこには背の高い……銀髪の男性が立っていた!
慌てて左目を押さえるも――――…男性は少し驚いた顔をし…私の全身を見て「フッ」と笑った。