❇️片暉の残照❇️
第7章 穏やかな日々と子守唄
「本日は、ダンスのレッスンが入っています。
テイス様も来年に入ってすぐに成祝の義を執り行う予定ですから、早くても春には社交界デビューです!
その時には、しっかり踊れないと」
すでに外は寒い風が吹いており――――…雪が振りだしそうな季節となっている。
「成祝――――かぁ…」
年が開けた月に生れた私は、真っ白な雪が降りしきる日に誕生したと…お母さんは言っていた。
二度と会えないが、大好きな人ととの間に出来た私を、お母さんは奇跡だと――――泣いて喜んだと言う。
真っ白な雪で覆われ凄く寒い日だったはずなのに人生でもっとも暑い――――穏やかな日だった。と、お母さんは笑っていた。