❇️片暉の残照❇️
第7章 穏やかな日々と子守唄
「――――ごめん、驚かせちゃったかな?」
噴水の影から現れたのは、黄金の髪と瞳の…商人だった。
「あなた――――…いたのなら声をかけてよ!」
「今、来たところ…歌が聞こえて――――あれは…何て言う歌だい?聞いたことがないから…」
彼は黄金の瞳を輝かせ私の側に歩み寄る。
「あ――――///お母さんが私を寝かせる時に歌っていた…子守唄です!題名は知りません…、気にしたこともなかったので」
題名があるのなら私も知りたいが――――…お母さんはもう、この世にはいないから、聞くことは叶わない。
「へぇ~子守唄…?何を歌っているか変わらないが…最後の“愛する我が宝”って歌詞から――――家族の事を歌っているのかな?」
「だと、思います――――よく分かりませんが」