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❇️片暉の残照❇️

第7章 穏やかな日々と子守唄


「そんなに大事なら――――檻にでも閉じ込めていたらど~だ?」


「!ばっ、バカな事を言うな――――、15年も…檻に居たような子だぞ……もう、寂しい思いはさせたくない!」


――――15年…檻に…いた?


いや――――比喩か?しかし、そんな孤独に苛まれていたような子には見えないが…。


「いや――――…なんと…言うか…テイスには…幸せになって…もらいたいんだ。兄の俺が言うのもなんだが――――テイスは、本当に心が綺麗なんだ…たとえ顔に醜い傷があるとしても。

///彼女はこれから…美しくなる!だがら……お前みたいなしがらみだらけの奴と変な噂がたったら――――一生恨んでやる!」


「――――お前…シスコンも大概にしておかないと、逆に嫌われるぞ?」



俺は、メルトから剣とマントを受けとると…それを身につけ公務室に向かう。


王宮の――――…上位階級の者だけ通れるこの廊下は…


人の気配は感じられず…


国の真ん中だと言うのに――――…


冷たく…


今にも凍えそうだ。



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