❇️片暉の残照❇️
第7章 穏やかな日々と子守唄
俺は公務室に入ると――――山積みの書類にため息を漏らす。
「――――これ…王の雑務も入ってないか?」
「入ってるだろうな――――…老大臣どもが…着々とお前に王の仕事を回しているんだとか」
最近、王の体調が良くないとは聞いていたが――――…まるで…次の王が俺だと言わんばかりの…公務内容で嫌気がさす。
「王は――――…この時期になると寝込むことが多いから…諦めてくれ」
諦めろ――――か…
そう言えば…テイスが言っていたなぁ…
『その…瞳で――――ご苦労はないですか?』
と…
彼女はこの瞳を――――初めて見る様子だったのに、酷くて恐れていた…
「年々――――…ご苦労が分かってきたよ……」
「ロミ?何か言ったか?」
メルトには聞こえなかったらしい――――…
こんな弱音みたいな事を言ったら…
父上も母上も――――…
ガッカリするだろうか…。