❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
「ありがとう…ございます…」
こんなに…愛されていいのだろうか?
どんなにお母さんに恩があるとはいえ――――…こんなに良くしてもらっていいのだろうか?
「私――――…成祝の儀がすんだら、公爵家にひとつでも役に立てる職を見つけます!」
「!?テイス」
「職って――――そ、そんなこといいんだぞ?」
お父様とお兄様は私の決意に少し戸惑う。
「テイス――――…貴女はそういう子ね…、やっぱりティアナと似ているわ。貴女の思うようにしていいわ――――私たちは全力で応援するから、ハジロもメルトも、力になってあげて?」
お母様は私を再び抱き締めると、頭を撫でながら微笑んだ。
「――――お母さんに…似てる?」
「ええ――――…私と、ティアナは学友だったの///学年は違ったけど私たちは同じ寮生でもあったのよ?」
お母さんとお母様は、ミュトロン領にある寮のある学園に通っていてそこで知り合ったと言う。
幼い時期から入れるその学園は、親元を離れ生活をするため学生同士の絆は深まるそうで――――…、昨年お茶会に来たキャサリン婦人やミーナ婦人も学友だとう言う。