❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
それから――――数日後、
私の成祝の儀が王都貴族街の協会で行われた。
ハジロ公爵家の養女ということもあり――――…公爵家と顔を通したい貴族が何人か来て祝福の花を届けてくれた。
成祝の儀は厳かに行われたが、その後の挨拶で私はぐったりとしてしまった。
「ハハハ――――テイスには、あの人混みは早かったかな?」
お父様は私の疲れた顔を見て笑った。
10~20分で儀式は終わったが、予定にしていたお昼の時間を延期してまで挨拶とお礼の繰り返しで――――…さすがの私も馬車では無言である。
「お昼の時間がずれたが――――…評判のレストランを予約したから、テイスの疲れも吹き飛ぶかもな?」
レストランと聞いて、私のお腹が「ぐぅ~」と、鳴り出した。
「///う――――恥ずかしい」
「雪の妖精も――――お腹は空きますものね」
お母様が慌ててお腹を押さえる私に微笑むと、レストランへ向かう馬車は和やかなムードに包まれた。