
❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
ジルベルト様は私を再び視界に入れると、遠目から見る私の瞳に首をかしげる。
「まぁ、考えんでもない…」
何故か、見定められている感じがして…鳥肌がたった。
しかし、リュークと言う人の瞳……濃い緑色の瞳を見るのは久しぶり――――…お母さんの瞳がそうだったが、亡くなってからはあまり見なかった。
「片目とは言え――――黄金色の髪と金銀混じりの瞳とは…バラの公爵様は侮れないお方だ…
なるほど――――…王のお膝元で側近を任されている息子様の伝で…王と次期王への貢ぎものとしては悪くないのでは?」
ん?意味がない分からないが…お父様もお母様もお兄様も頭を下げたまま微動だにしない。
「――――まぁ、今日は公爵様へ祝福の言葉をいいに来ただけだ…雑談は後程。リューク帰ろうか」
「はい――――…表に馬車を待たせております」
そう言うと、ジルベルト様は部屋を出ていった…が、リュークと言う男性はお父様を見下ろす――――。
「公爵様――――まだ、我が妹をお探しですか?罪人である妹を見つけたとしても…我が家は一切関わりを持つつもりはありませんよ。
たとえ――――今さら冤罪だっと言われても…我が家は妹を罪人として追い出したのです……その事実は変わりません」
――――え?
我が家…妹…?
私はリュークと言う男性に視線を向ける――――…
言われてみたら…お母さん少し似ている?
緑の瞳とか……
