
❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
この…リュークって人、お母さんのお兄さん――――?!
しかし…
彼の言葉から…お母さんを気にかけている様子はなく、むしろ――――見つけないでほしいと言っている。
「――――いえ…私が個人的に恩を感じ探しておりますゆえ…リューク様にはご迷惑はお掛けしないと……誓います」
「そうか――――私的には…死んでいてくれたら……ありがたいのですが」
「――――…」
言葉にならない声が…喉で詰まって…一瞬苦しくなった…。
実の――――兄が…
妹の死を――――願うなんて……
怖い――――…お母さん…怖い…
私はうつむきながら指先が凍っていくのを感じた。
