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❇️片暉の残照❇️

第8章 成祝の義とスノーフェアリー


何分――――だろうか…


皆が膝まずきうつむいたまま時間がたった――――…。


テーブルにあった紅茶はすっかり冷め――――…重い空気だけが滞留し続けた。



「――――ふぅ…もう、流石に帰った…かな?」



最初に立ち上がったのはお父様で、次にお兄様がウェイターを呼び…お茶のお代わりを頼んでくれた。


お母様もやっとホッとしたのか、冷たくなったお茶を飲み――――緊張した~!と、笑っていた。


「あ…あのぉ――――あの方が…王様ですか?」


私は、コレジバ…と言う名前ですっかり王様だと思っていたから何か粗相がなかったか皆に聞いた!


「いやいや――――王様じゃないよ。あの方は、前王弟のご子息でジルベルト・ゴルドガ様だよ」


お父様は席につくと、疲れているお母様を気遣い背を擦っている。


「銀の髪と黄金色の瞳で――――王位継承順位3位の方だ…今は…4位になりそうだけど…」


お兄様は、大きくため息をつくと…「本当…あの人何しにきたんだ?」と、テーブルのマカロンを一つ口にいれた!




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