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❇️片暉の残照❇️

第8章 成祝の義とスノーフェアリー


「祝福の言葉なんて――――一言もなかったわね…相変わらずなのね…あの方は」


お母様は、申し訳なさそうに私の手を握った。



「それと――――…あの…リューク…って方…お母さんの…」


この事を口にすると皆が困った顔をした。


その顔を見て――――…私は不安になった…。


「テイス……ちゃんと話したほうがいいかもね――――」


話す?お母さんのお兄さんのこと……かな?



ノックがあるとウェイターが新しい紅茶を持ってきてくれた。


「まず、お茶を飲んで―――…気を落ち着かせましょ?」



今は、外だし――――…王族の事を気安く話せないのは…三人のあの微動だにしない姿勢から察しがついた――――。





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