
❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
レストランから屋敷に向かうまでの場所の中は――――…無言だった。
それでも、お母様は私を抱きしめ肩を撫でてくれた。
なんとも…後味の悪い会食となったが、寄り添ってくれるお母様に安心できた。
屋敷に到着すると、着替えたあとサロンでお茶を飲みながらレストランでの話の続きをした。
「レストランで出会った、ジルベルト様だが…
王位継承現状3位のお方だ――――…彼は前王族派閥の筆頭でもあって、王族の位置を強固としていく考えの持ち主なんだよ」
「格差社会差別の引き金となりかねない考えの人で――――…平民は人だと思っていないところがあって…」
お父様は紅茶を手に取ると、疲れているせいか砂糖を多目に入れた。
