
❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
「リューク様は、ジルベルト様の執事をしているんだ」
目立たぬ黒い服装は…言われてみればお父様の執事をしているジムさんと衣装が類似している。
「ティアナ様の件があってから――――…かなり肩身の狭い思いをしたと思うから…冤罪だったと今さら言われても手放しでは喜べないだろう…」
お母さんのバラの件は今の王様が公爵の申し出に耳を貸してくださり“無罪”となったのと聞いた――――しかし、それも三年前のこと…
それまでは“罪人の兄”として、王族に使えていて…それは、どんなに辛かったことだろうか…。
「しかし――――…ますます…テイスがティアナの子だとは…言えなくなったな…」
お父様は再び大きくため息をつくと椅子に深く座った。
