❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
「もっと――――」
私は月明かりを求めて、窓を開け――――バルコニーに出てみた。
雪がうっすら積もったバルコニーに出ると、寒さで頬がピリッとしたがテンションが上がっていたため平気だった。
「うゎぁぁ――――…白さが際立つなぁ…へへへ///やっぱりこのドレス凄く綺麗」
白いドレスと髪が月明かりを受け神々しく輝く――――。
「おや――――…その声はテイスかい?寒いのに成祝の義で着たドレスを纏い一人舞踏会かい?」
「――――お兄様?」
隣の部屋からケラケラと笑う声が聞こえてきて私は嬉しくて振り返った。
「月明かりに照らしてみたくて――――このドレス…真っ白で綺麗だったから!」
「…!?――――テイス…その…瞳」
隣の部屋のバルコニーでワインを飲んでいたお兄様が振り向く私を見てワイングラスを落とした――――。
「お兄様?――――…あっ!」
私は自分が眼帯を着けていないことに気がつき慌てて左目を手で押さえた!
「テイス――――その…瞳は!?」
「!違う――――…これ…は…これは…」
私は目を押さえたまま…その場に崩れ動けなくなった…
――――見られた…
あの驚き方は……見たんだ…
この――――気持ち悪い…別色の瞳を…。