
❇️片暉の残照❇️
第2章 ハジロ公爵邸
「バラの品種改良や商品研究は――――この領地で行い…王都で売るって言うのが我が家のスタイルだ――――もちろん、我が家のバラは王族の方々のパーティや普段使いの飾りとしても献上している…」
――――多分、注文が多いバラの銘柄は“ティアラ”なのだろう…
注文が入る度にハジロ公爵は罪悪感で押し潰されそうになっていたのではないだろうか?
「今度――――バラを見せてください…」
「もちろんだ!我々を助けてくれた――――…今でも輝かしい“ティアラ”を。貴方のお母様が産み出した…最高級のバラを」
母のバラと聞くだけで心が暖かくなる――――。
母の生きた証があると思うだけで嬉しかった。
その後、詳しいことは明日――――…と、言うことになり、私は部屋に案内された。
