❇️片暉の残照❇️
第8章 成祝の義とスノーフェアリー
「テイス――――…その瞳を隠すように言ったのは…ティアナ様かい?」
お兄様は私を抱きしめため息をついた――――。
「テイス――――テイスは何も悪くないし、化け物何かじゃない…。いいかい、とても珍しいが病気とかでもないから大丈夫!
しかし…これは――――俺とテイスだけの秘密にしておいた方がいいと思うんだが…」
“秘密”――――と、言う言葉に私は反応した!
「///お兄様……この瞳のこと…黙っててくださりますか?私を咎めませんか?」
「咎めるも何も――――…テイスは悪くないし、隠して…おきたいんだろ?」
「――――はい…お母さんとの…約束なので…」
私は、再び月明かりが差し込む部屋で…真っ直ぐお兄様を見つめた…。
長年――――…隠していた左目は光に弱く…月明かりだけでも眩しく感じる…。
「それにしても――――…その衣装でバルコニーに現れたテイスは…本物の妖精かと…思ったほどだよ――――…。雪の妖精さん――――…もう、泣かないで…君には笑顔が一番…似合うから」
お兄様は微笑み――――私の涙を指で拭ってくれた。
「///この瞳を…秘密にしてくださり…ありがとうございます…お兄様」