❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
「メルト様が側近として使えておりますから…。
昨日は、テイス様の事を聞き付けメルト様と一緒にいらっしゃいました」
「///お、王位継承者…第一位…」
あの…黄金色の髪と瞳の彼が…一位…
“この国の王位は見た目が大きく左右する”
そう言えば…お兄様が言っていた。
「そっ…そうだったんだ――――知らなかったとはいえ…無礼な事をしてしまったわ」
「テイス様――――何をされたんですか?」
―――彼を商人呼ばわりしたあげく…逃げようとしたし…大泣きした…
なんて言えません!?
「な…なんでもないです――――そうだ、それでも挨拶は必要だよね……そうなると…髪をど~にかしないと…このバラバラな髪じゃ…それこそ失礼だし…」
「そうでしたら…朝食の後に…私で良ければ切り揃えますが…」
ニコルの提案に私はうなずいた。