❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
「お母様!?」
扉が勢いよく開くと、泣き顔のお母様が私を抱き締めた!
昨日から泣いているとはロミから聞いていたが…目が腫れている…。
「お母様――――泣かないで?私は大丈夫です!それに、見てください――――短い髪も似合いませんか?ニコルが切り揃えてくれたの!へへへ…心配をかけてしまい…ごめんなさい…」
「テイスが謝ることではないよ!ああ…怖かっただろ?髪を切られたが…怪我がなくて本当によかった!」
お母様の後に小走りで入ってきたお父様も私の顔色を見てホッとしたのか――――「謝らなくていい」と…ロミが言った通り…謝罪など不要だった。
「テイス――――驚いたよ…サンドラ様が君を抱えて入ってきたときには…心臓が止まるかと思った!」
お兄様も私の顔をみて安心したのか微笑んでくれた。