❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
散歩の了承がでると、思わずテンションが上がってしまう!
ナイトドレスから着替えようと思い、クローゼットを開けると…
そこには、色とりどりのドレスが何着も並び…後ずさる。
「だ――――…誰の…ドレスだろう…私の…ドレス…違うクローゼットかな?
あっ!ニコルたちの部屋に持っていったの?」
私のドレスが見当たらず、ニコルに聞く。
「あのドレスは…肩の部分から切られておりまして…手直しに出しております――――。
で、そのクローゼットの中のドレスは…サンドラ様からのプレゼントでございます…。あの日の夜に…届けられたものでございます」
「――――は?サンドラ様…から?え?!こんなに!?」
クローゼットの中にはびっしりと、色味が鮮やかなドレスとアクセサリー、靴やバッグまで――――…
「身体…一つなのに…こんなに…しかも派手…だなぁ」
真っ赤なドレスから、真っ青なドレス――――…オレンジ、パープル、黄色に…真緑…。
唯一、目がチカチカしない薄い黄色のドレスを手に取りやっとホッとする。
「眼帯は――――…黒しかないの!?どういう趣味してるの?あの人…」
三日も同じ眼帯をつけているから…交換したいところだが、サンドラ様が用意させた眼帯は何故か黒ばかり…。
「女性が眼帯をする――――と、言う頭が無いですからね…武人用の眼帯を呉服屋が準備したのでしょう。あっ――――この白いのはいかがですか?」