❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
公務室のある建物に入ると、数人の人が忙しそうに動いていた。
「お兄様――――本当にお仕事大丈夫なのですか?」
「大丈夫、大丈夫…ここにはいろんな部所があるから、今忙しい所もあるんだろう!」
「あっ、メルト様!王様主催の晩餐会の件ですが――――!」
「あっ、いた!メルト様!ここの予算が!」
「メルト様!」「!メルト様」
「はいはい!ちゃんと後から聞きますから――――要点をまとめて後で執務室にきてください!俺は今忙しいんです!」
「――――…」
建物に入ったとたんに…お兄様へ駆け寄る役員を見ていると…本当に見学に行っていいものか不安になる!
チラッとニコルとキロを見ると…あきれた顔でゆっくりと首を横に振るだけだった。