❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
すると、公務室の扉が開き――――お兄様が出てきた!
「テイス――――お待たせ…」
「お兄様…もう…いいのですか?」
兵の間をくぐり抜け私の元に来たお兄様は「大丈夫」と、再び私の手を取る。
すると、私の隣にいたニコルとキロはサッと私の後ろに下がった。
「さっ、王とロミがお待ちだよ!」
「え――――…?」
お待ちだよ――――…と、お兄様は私の手を取り公務室へと向かう!
「え――――…えっと、え?お兄様?!大事なお話し中ではないのですか?私がお部屋に入って…いいのですか?だって――――王様がいらっしゃるんですよね?」
当たり前のように、公務室に向かうお兄様その手をギュッと握ると、お兄様は振り返り――――「大丈夫、大事な話なんかしていないから」と、鼻歌混じりで警備兵が守る部屋の扉を開けた!