❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
すると、会話が途切れた間で暖かい紅茶が並べられた。
「ん――――、ありがとうポルギ」
「いえ――――」
ポルギと呼ばれたその男性は、キロやお父様の執事の様な姿をした人で紅茶を皆の分用意するとスッと一歩引いて王様の後ろに下がった。
しかし、彼はキロやジムさんとは違いすこし異国の雰囲気がした。
髪は黒く“ニホノ領”の民と類似はしているが…少し違う――――…
「ん?彼かい――――、私の執事をしている“ポルギ”だ。北ミュトロンの“アヌイ”出身でね、若い頃に訪問した際に農家の三男だった彼を執事にスカウトしたんだ」
「農家の――――三男…?」
「はい、わたくしの家は代々農家として続いていた…しがない農民でございます。変境地の北田舎の平民を“執事に”と王自ら頭を下げられた時は…本当に驚きました」
「いやいや、当時は私も王ではなかったし……病み上がりの微妙な時期だったから、威厳とかそう言うものは微塵もなかっただろうに……」