❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
「そして!何を隠そう――――この“大輪”の花びらに漬けた水で作ったのが、今みんなに飲んでもらった紅茶だ!不純物を溶かす効果があるのか…水が軟らかく甘くなるんだ」
「王様――――…本当ですか?!父上もそのような効果が“ティアラ”にあるのを…知らないのでは?」
「フフフ――――そうだね…知らないかも…これは秘密だから」
王様は“秘密”と人差し指を唇の前に置き笑う。
「このバラはね…本当に特別なんだ――――…私を救う…///愛しいバラ…」
その視線に不思議と違和感はなく――――、私はなんだかホッとしていた。
「へへへ///王様――――幸せそうです」
そう言うと、王様は「ありがとう」と微笑み返してくれた。