❇️片暉の残照❇️
第11章 奇跡の王
お母さんは…一時期…大罪人として裁かれ――――追放されたのだ…。
いくら…今の王様のはからいで…罪が消えたとしても…
罪人の時代は――――長すぎた…。
悲しいかな…お母さんのお兄さんでもある…リューク様は今でも…怒っていた。
「――――レンティス様…そろそろお時間です。この後、大臣たちと…」
「もう、そんな時間かい?――――ロミ、今週の晩餐会よろしく頼むね」
「はい――――、叔父様も…その日に体調崩さないようにしてください」
ポルギさんに促されて王様は名残惜しそうにソファから立つと、私に視線を向けた。
「テイス――――、今回の晩餐会が社交界デビューなんだって?成人の祝いを兼ねてドレスを贈らせて欲しい」
私は持っていたカップを慌ててテーブルに置くと、王様の優しい視線にどうしたらいいか戸惑う!
「///えっ、あっ――――で…でも!」
「あ~ぁ!先に言われてしまった…、俺もテイスにドレスでも贈ろうと思っていたんだ!
テイス――――、受け取っておきな?サンドラ様よりは…センスはいいから」
ロミ様はペロッと舌を出すと、私の背中をトンと押した。