❇️片暉の残照❇️
第12章 お茶会と緊張の挨拶
「今週中に…ワルツだけでもマスターしましょうか…」
キロの提案に私は力強くうなずいた!
残りわずかな時間だが……王様の主催する晩餐会で笑われない程度にはなりたいものだ。
その日から、私は時間を見つけワルツの足運びをキロとニコルに教わりながら続けた。
その事は、お兄様やロミ様――――サンドラ様も知る事となるが…皆さん暖かい目で見守ってくださった。
多少――――笑われていた気もするけど…。
そして、晩餐会の前日――――…ポルギさんが部屋を訪れた。
「ドレスが出来上がりましたので――――お届けにあがりました」
大きな箱に包まれたドレスが届き、私は挙動不審になった!
「え?ポルギさん!?……こんなに大きい箱に入ってるのですか?え――――っと…届け先間違ってませんか?」
「いいえ――――、ちゃんとテイス様のドレスでございます」
ポルギさんは微笑み箱を部屋まで運んでくれた。