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❇️片暉の残照❇️

第13章 初めての晩餐会


「テイス様、何かお飲み物をお持ちしますね」


ニコルが疲れきっている私を気遣いドリンクを取りに行ってくれた。


「そう言えば――――…インギル様のメイドに渡すものがあると言っておりましたが…、見かけませんか?」


キロに言われて「あっ!」と、巾着袋を見る――――。


「気にはしているのだけど…見当たらなくて…」


「そうですね――――メイドをゾロゾロ連れている令嬢はいませんし…もしかしたら部屋に待機しているやもしれませんね…」


確かに――――メイドは一人…多くて二人…?


多く連れて来ていても、会場には入らず出入口の廊下で待機だとニコルが言っていた。


「インギル様のお付きのメイドが彼女だといいんだけど――――…」


しかし、インギル様付きのメイドだと…逆に渡し難い?


私は大きくため息をする――――。


と、そこにスッと背の高い執事の格好をした男性が私の前にたった。


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