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❇️片暉の残照❇️

第13章 初めての晩餐会


「えっと――――どちらに?」


挨拶をしたいと言うが、姿が見えない…。


「少々…飲みすぎたらしく――――少し夜風に当たるため…テラスの方に移動しておりました。もしよろしければ――――お疲れの様子のテイス様も気分転換がてらテラスにいらっしゃいませんか?」


「――――テラス…ですか?」


私はまだ戻らぬニコルを心配したが、テラスへと促す声に「――――はい」と、うっかり返事をしてしまった。


「お嬢様――――…」


キロも少し疑いの目で声のいい執事をみているが、テラスに向かって歩いて行くことになった。


ホールではダンスが盛り上がって来ているのか――――…寒い窓際、ましてやテラスの方には客はまばら…


「あの――――…」


私は、執事さんと共にテラスに出る――――。


と、テラスの奥に人影が見えた。



「あっ――――あの方ですか?」


「はい…」



心地いい声がテラスの奥にいる男性を主だと言っている。


暗くて確認は出来ないが…男性?


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